おひとりさまの終活

身寄りのない「おひとりさま」が亡くなったときの喪主代行というサービス~葬儀の生前予約・葬儀の代行・永代供養墓

身寄りのない「おひとりさま」にとって、自分が亡くなったあとの葬儀のことはなかなかイメージしにくいと思います。

もちろん、自分が亡くなったあとのことはまったく気にしないという人もいると思いますが、その一方で「誰が自分の葬儀をあげてくれるのか」ということが気になって仕方がない人もいることでしょう。

基本的に、身寄りのない方が終活的なことをまったくせずに亡くなった場合には、ちゃんとした葬儀が行われることはありませんし、誰もお墓を建ててはくれません。

最終的には自治体によって火葬のみが行われ、無縁仏として自治体の管理する合祀墓に納骨されます。

納骨といっても、一般的なお墓のように骨壺に入れて別けられるのではなく、他の遺骨といっしょに混ざった状態にされてしまいます。

参考記事:おひとりさまが亡くなったあと無縁仏にならないためにはどうすべきか?
        

葬儀も行われずに無縁仏となってしまうことに不安を感じるおひとりさまに、いま注目を集めているのが喪主代行というサービスです。

生前にそういった喪主代行サービスを行っている会社と契約しておくことで、遺体の引き取りから葬儀、永代供養墓への納骨までをすべて行ってもらうことができます。

そういった会社では、喪主に変わって葬儀に関することをすべて代行してくれますので、まったく身寄りのない方であってもお任せすることが可能です。

ここでは、いま注目をあびている喪主代行というサービスについて、詳しく解説をしてみたいと思います。

喪主代行を生前予約することでどんなサービスを提供してくれるのか?

喪主代行の契約をすることで受けることのできるサービスは、契約をする会社や団体によって異なりますし、プランも希望に応じてさまざまなものがあります。

基本的に、遺体の引き取りと火葬の立会い、そして納骨まではどのようなプランで契約しても行ってもらうことができます。

あとは、葬儀をどの程度の規模で行うのかといったことや、お墓をどうするのかといった希望に応じて、自分が納得できる内容で契約をすることになります。

最もシンプルな火葬と永代供養だけのプランだと、15万円~20万円程度の費用で契約が可能になっています。

まったく身寄りのない方ですと、とりあえず無縁仏にならなければいいということで、こうしたシンプルなプランを契約する人も多いことでしょう。

ただ火葬するだけではさみしいと感じる人には、僧侶による読経をオプションで付けることもできます。

あるいは、身寄りのない方であっても、生前に交際範囲が広く、本格的な葬儀を行って友人や知人などに参列してもらいたいという人もいるでしょう。

そういう場合でも、費用的には高くなりますが本格的な葬儀をとりおこなうプランを組むことも可能で、契約した会社や団体のスタッフが、喪主の代わりに受付から挨拶までをすべて行ってくれることになります。

お墓に関しても、コインロッカー式の簡易的な納骨堂などではなく、本格的なお墓を建てたいということであれば、そういったことも生前に予約をしておくことが可能になります。

最近では、海洋散骨や樹木葬などもおひとりさまに人気になっているようですが、そういった選択をすることもできます。

遺品整理なども、一括で申し込みが可能な会社や団体もありますので、事前にサービス内容を確認しておくといいでしょう。

生前に喪主代行サービスを契約するときに知っておくべきこと

無縁仏になりたくないと考えるおひとりさまが、喪主代行の会社と契約をするときに知っておかなければならないことなどについて、いくつか解説してみたいと思います。

喪主代行を行ってくれる会社や団体との死後事務委任契約書を作成

自分が亡くなったあとに、喪主になってくれる人が誰もいない人が葬儀の生前予約をするときに、必ず作成しなければならないのが「死後事務契約書」です。

この「死後事務委任契約書」を作成することによって、喪主代行サービス会社に対して、自分が死んだあとの葬儀や埋葬に関することの代理権をあたえることができるのです。

葬儀の生前予約をする場合の「死後事務委任契約」によって委託をされる主な内容は、「遺体の引き取り」「役所への死亡届の提出」「火葬場の予約」「火葬式の実行」「収骨・納骨」「葬儀や納骨に関するさまざまな手続き」などです。

「死後事務委任契約書」は、司法書士などの専門家が作成して、公正証書の形で残すのが一般的です。

もちろん、公正証書でなくてもかまいませんが、公正証書の形にしておけば、自分の意思で作成したものであることを、公に証明することができます。

遺言書なども同様ですが、自分が死んでしまったあとのことに関する書類ですので、あとから偽造をされたり悪用されたりしないようにするためには、公正証書にした方が安心できるでしょう。

公正証書にすると、公証人へ支払う手数料が発生してしまいますが、多くの場合は、喪主代行サービスを提供する会社の料金の中にそれらの費用も含まれているのが普通です。

サービスを提供する会社が破綻をしてしまう可能性を考える

葬儀の生前予約ということになりますと、何年先になるか分からない自分の葬儀のために、業者に対して前金で葬儀代を預けることになります。

どんな会社や団体でもそうですが、そこが未来永劫にわたってずっと営業を続けるという保証はないわけです。

葬儀の生前予約をした自分が亡くなるよりも先に、その会社や団体が倒産してしまう可能性だってないわけではありません。

実際、2016年に日本ライフ協会という身元保証や葬儀の生前予約サービスを提供していた団体が、破綻をしています。

2,600人から預かった葬儀費用などにあてるべき預託金のうち、3億円あまりを流用してしまったことが破綻の原因といわれています。

日本ライフ協会の代表的なプランでは、1人あたり165万円という高額なお金を預かっていましたが、破綻によって契約者に返金されたのは、わずか15万円ほどだったそうです。

喪主代行サービスに申し込みをする際には、つねにこうしたリスクがあるということは頭に入れておかなければなりません。

そうしたリスクを避けるために、葬儀の生前予約を受け付けている会社や団体のなかには、預かったお金を別の信託会社で管理をするようにしているところも多いです。

こうした形でリスク管理をしている会社であれば、万が一サービスを提供する会社が倒産してしまった場合でも、預けたお金は信託会社の方に残ることになります。

葬儀の生前予約をするときには、預けたお金をどのように管理をしているのかという点を、しっかりと確認するようにした方がいいでしょう。

家族がいても喪主代行サービスを予約する人もいます

喪主代行サービスというと、天涯孤独で誰も身寄りがいない人が申し込みをするというイメージがあると思います。

ところが、最近では家族や血縁関係者とのつながりが希薄になっていることもあり、自分の葬式のときには子どもに喪主をしてもらいたくないと考えるような人もいます。

また、逆に自分の親が亡くなっても、喪主などやりたくないと考える子供もいます。

家族がいても、そんなふうに関係が冷え切ってしまった人たちが、喪主代行サービスを利用するというケースも決してまれではないのです。

ただ、こうしたケースで喪主代行を依頼する場合には、「死後事務委任契約書」をしっかりと公正証書の形で残しておくことが大切です。

「勝手に親の葬儀をやるな」とか「そんな立派な墓はいらない」といった、家族からのクレームによってさまざまなトラブルに発展する可能性もあるからです。

それにしても、なんとも世知辛い世の中になったものですね。